BBの画面を初めて開くと、少し身構えてしまいます。株数を入れる欄に、価格を選ぶ欄。「価格まで自分で決めるの?」と手が止まる人も多いはずです。

先に答えを書いておきます。BBは「この価格なら、この株数を買いたい」と証券会社に伝える手続きで、個人投資家にとってはIPOの抽選への応募そのものです。

初めてなら、価格は「成行」か「仮条件の上限」、株数は100株。ほとんどの場合、これで迷う必要はありません。

BBは「いくらなら買いたいか」を集める需要調査

ブックビルディング(Book Building)とは、投資家の需要(買いたい希望)を積み上げていく仕組みのことです。

IPOの取りまとめ役である主幹事証券会社が、投資家から「いくらで何株ほしいか」を集め、その結果を見て公開価格を決めます。

順番としては、まず「仮条件」が発表されます。仮条件は、公開価格の目安になる価格の幅のことで、たとえば「1,400円〜1,500円」のように設定されます。

投資家は、この幅の中の価格か「成行」を選んで申し込みます。

人気の銘柄ほど高い価格での申込が集まり、公開価格は仮条件の上限に決まりやすくなります。

BBの結果は、そのまま「この銘柄にどれだけ人気があるか」を表しているわけです。

申告するのは「株数」と「価格」の2つだけ

株数は100株単位で入力します。証券会社によって「何株申し込んでも1人1票(完全平等)」のところと、「申込株数が多いほど当たりやすい」ところに分かれますが、最初は迷わず最低単位の「100株」で申し込めばOKです。株数を増やすとそれだけ多くの資金が必要になってしまうため、まずは100株から慣れていきましょう。

価格は、仮条件の中から選ぶか、「成行」を選びます。

成行(証券会社によっては「ストライクプライス」と呼びます)は、「公開価格がいくらに決まっても、その価格で買います」という意思表示です。

ここで気をつけたいのが、価格を指定した場合です。公開価格より低い価格で申し込むと、抽選の対象から外れてしまいます。

よくある場面 「少しでも安く買えたほうが得だよね」と考えて、仮条件の下限1,400円で申し込む。しかし公開価格は上限の1,500円に決定し、抽選にすら進めない。

安く申し込むと得をする、と思い込んでいる人も少なくありません。

抽選に参加するために必要な入金額(前受け金)のルールは証券会社によって異なります。BBに申し込む前に、口座にいくら入れておく必要があるか確認しておきましょう。

ネット証券での申込は、3分あれば終わる

証券会社によって多少の違いはありますが、基本的な流れはどこも同じです。

  1. 証券会社のサイトやアプリにログインする
  2. 「IPO」や「新規公開株」のメニューを開く
  3. 申し込みたい銘柄の「申込」ボタンを押す
  4. 株数(100株)と価格(上限または成行)を入力する
  5. 取引パスワードを入力して、確認画面で申込を確定する

気をつけたいのは締切の時刻です。BB期間の最終日は、夕方を待たずに受付が終わる証券会社もあります。

「最終日の夜にやればいい」と後回しにしていると、思わぬトラブルで間に合わないことがあります。

よくある場面 締切当日、会議と会議のあいまの10分で申し込もうとする。ところが、取引パスワードが思い出せない。何度か間違えてロックがかかり、再設定の手続きで間に合わなくなってしまった。

パスワードで足止めされる人は、意外と多いものです。

取引パスワードは、ログイン用のパスワードとは別に設定されていることがほとんどです。最初のBBの前に、一度確認しておきましょう。

やってはいけない申込と、知っておきたい注意点

BBには、手軽さの裏にいくつかのルールがあります。

  • 家族名義の口座を自分で操作して申し込む:「借名取引」と呼ばれ、禁止されています。家族が自分の口座で、自分の判断で申し込むのは問題ありません。
  • 買う気のない銘柄に申し込む:当選辞退にペナルティ(一定期間の申込制限など)がある証券会社もあります。不人気で公募割れしやすい銘柄ほど簡単に当たってしまうため、最初は「当たったら買う銘柄」だけに絞るのが無難です。
  • 複数の証券会社から同時に申し込むのはOK:複数応募自体はルール上問題ありません。ただ、申込の時点でお金が拘束される証券会社では、同じ資金を使い回せない点に注意が必要です。

逆に言えば、この3つ以外で神経質になる必要はほとんどありません。

最初のBBは「上限価格・100株」で出してみる

BBは一度経験してしまえば難しくありません。

  • IPOスケジュール一覧で「受付中」の銘柄を探す:直近で申込ができる銘柄や、取扱証券会社がまとまっています。
  • 口座がある証券会社で、上限価格・100株で申し込む:主幹事や幹事に入っていれば、まずはその証券会社からで十分です。
  • 抽選結果の発表日をカレンダーに入れて待つ:当落が出る日を控えておけば、次の購入手続きもスムーズに進められます。

結果がどうであれ、1銘柄やってみれば、次はもっと短い時間で迷わず申し込めるようになります。