IPOの銘柄を見ると、「主幹事」と「幹事」の欄に証券会社の名前が並んでいます。

手持ちの口座があればひと安心……と思いがちですが、どこに名前があるかで当選のチャンスは大きく変わります。

一番の違いは扱う株の量です。IPOに申し込むなら、主幹事の口座が最優先になります。

主幹事は、全体の8〜9割の株を販売する

IPOの株は、上場する会社が直接売るのではなく、複数の証券会社がチームを組んで販売します。

そのチームのリーダー役が「主幹事」です。

  • 主幹事(リーダー):上場の準備から価格決めまでを取り仕切り、売り出す株の大半(80〜90%程度) を扱う
  • 幹事(メンバー):主幹事と一緒に販売に参加するが、扱う株はごくわずか(数%程度)

仮に、全体で10,000人分の株が売り出される銘柄があったとします。

  • 主幹事:8,500人分(85%)
  • 幹事5社:残り1,500人分を5社で山分け(各300人分)

同じ1銘柄でも、主幹事と普通の幹事では当選枠に30倍近い差がつきます。これが「まず主幹事から申し込むべき」と言われる理由です。

よくある場面 ふだん使っている証券会社の名前を見つけて、「ここで申し込もう」とBB完了。しかしそこは普通の幹事で、枠が全体の数パーセントしかなかった。

名前が載っているかどうかだけでなく、「主幹事かどうか」を見ることが大切です。

幹事の口座でも申し込む意味はある?

割当が少ないからといって、幹事の証券会社に申し込む意味がないわけではありません。

幹事の口座を使うメリットは次の2つです。

  • 抽選のチャンス(応募回数)を増やせる:主幹事とあわせて申し込むことで、純粋に抽選を受ける回数を増やせます。
  • ライバルが少ない穴場になることがある:大手に比べて口座数が少ない証券会社なら、割当が少なくても競争率が低くなることがあります。

資金に余裕があれば、「主幹事 + 手持ちの幹事」から申し込むのが効率的です。

迷ったときのチェック手順

どの証券会社から申し込むかは、次の順で判断します。

  1. 主幹事に自分の口座があるか:あれば、まず最優先で申し込みます。
  2. 残りの幹事に自分の口座があるか:あれば、追加で申し込んで抽選回数を増やします。
  3. 主幹事の口座がない場合:幹事だけで申し込むか、次のIPOに向けて主幹事の口座開設を検討します。

主幹事を務めることが多い証券会社はある程度決まっています(SBI証券、大和証券、SMBC日興証券、野村證券、みずほ証券など)。よく主幹事になる会社の口座を1〜2社持っておくと、チャンスを逃しにくくなります。

よくある場面 欲しい銘柄の上場が決まったが、主幹事は口座を持っていない証券会社だった。慌てて開設を申し込んだものの、手続きに数日かかり、BBの締切に間に合わなかった。

主幹事の口座は、銘柄が決まってから動いても間に合わないことがあります。

次の銘柄で、主幹事の名前を確かめてみよう

役割の違いがわかると、スケジュールの見え方が変わります。

  • IPOスケジュール一覧で銘柄を開き、主幹事を確認する:一番上に載っている主幹事が、最も当選枠の多い証券会社です。
  • 主幹事によく名前が出る証券会社の口座を先に開いておく:次の銘柄が出たときに、すぐ申し込める状態にしておけます。

主幹事を意識するだけで、同じ手間で当選の可能性をぐっと引き上げられます。