「抽選に申し込んだはずなのに、結局なにも買えていなかった」

IPOでは、こういうことが本当に起きます。多くの証券会社では、抽選に当たったあと、もう一度「買います」と手続きしないと株が手に入らないからです。

IPOは、申し込んで終わりではありません。上場が発表されてから上場日までは、おおむね1か月。

そのあいだに、自分で動く場面が3回あります。BBへの申込、抽選結果の確認、そして購入の手続きです。この3つさえ押さえれば、流れはむずかしくありません。

上場の発表から上場日まで、約1か月のスケジュール

標準的な1か月のスケジュール例です(実際の日程は銘柄ごとに決まります)。

  • 4月3日(上場承認):銘柄と日程を確認する
  • 4月16日(仮条件決定):必要な入金額を計算
  • 4月17日〜23日(BB期間):抽選に申し込む
  • 4月24日(公開価格決定):抽選結果を確認
  • 4月25日〜28日(購入申込):当選なら手続き
  • 5月2日(上場日):売るか保有するか決める

上場承認とは、取引所が「この会社の上場を認めます」と発表することです。ここで初めて、会社名や上場予定日、取り扱う証券会社が明らかになります。

一覧を見るとわかるとおり、申込のチャンスはBB期間の数日だけです。上場承認から2週間ほどは、待っているだけの期間が続きます。

この「間延び」のせいで、気づいたときにはBBが終わっていた、ということが起きやすくなります。

申込の前に済ませておく2つの準備

ひとつ目は、証券口座を開くことです。本人確認書類とマイナンバーを用意して、ネットで申し込みます。手続きが終わるまで、数日から1週間ほどかかるのが一般的です。

口座を開くときに「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでおくと、利益が出ても税金は証券会社が差し引いてくれるので、原則として確定申告はいりません。

ふたつ目は、口座へのお金の入金です。仮条件の上限が1,500円なら、100株で15万円が目安になります。

お金が必要になるタイミングは証券会社によって違い、BBの時点で必要なところもあれば、抽選や購入申込のときに必要になるところもあります。申し込む証券会社のルールは、事前に一度見ておきましょう。

よくある場面 気になる銘柄の上場承認を見て、その日の夜にあわてて口座開設を申し込む。スマホで免許証を撮り直すこと3回。ようやく「口座開設のお知らせ」が届いたのは、BB締切の翌朝だった。口座の準備は、銘柄が決まってからでは遅いことがあります。

BBに申し込み、抽選の結果を待つ

BB(ブックビルディング)は、「この価格で、この株数を買いたい」と証券会社に伝える手続きです。個人投資家にとっては、これがそのまま抽選への申込になります。

申し込むのは株数と価格の2つだけ。くわしいやり方は「BB(ブックビルディング)とは?申込のやり方と注意点」にまとめています。

BBが締め切られると、その結果をもとに公開価格が決まり、抽選が行われます。

結果は証券会社のサイトやメールで確認します。表示されるのは、たいてい次のどれかです。

  • 当選:株を買う権利を得た状態
  • 補欠当選:当選者が辞退したら、繰り上げで買える可能性がある状態(実施しているかどうかは証券会社による)
  • 落選:今回は買えない。お金は減りません

ひとつ注意があります。BBで申告した価格が、決まった公開価格より安いと、抽選の対象から外れてしまいます。

仮条件1,400〜1,500円の銘柄に1,400円で申し込み、公開価格が1,500円に決まった場合がそうです。

せっかくの抽選機会を逃さないためにも、価格の指定は成行を選ぶか、仮条件の上限価格で申し込むのが鉄則です。(※証券会社によって選べる形式が異なります)

当選したら「購入申込」を忘れずに

当選しただけでは、まだ株は手に入らない証券会社が多くあります。当選のあとに購入申込期間があり、そこで「買います」と意思表示をして初めて購入が確定するしくみです。

期間は数日しかありません。なお、抽選の前に購入の意思を確認する証券会社もあるので、自分の使う証券会社の流れは一度確かめておきましょう。

この手続きをしないと、当選は辞退したものとして扱われます。辞退すると一定期間IPOに申し込めなくなるなど、ペナルティを設けている証券会社もあります。

よくある場面 「当選」の2文字を見たのは、残業帰りの電車の中。うれしくてスクリーンショットを撮り、そのまま寝てしまう。数日後、ふと思い出して口座を開くと、画面には「辞退」の文字。当選したのに買えなかった、という失敗の多くはこのパターンです。

購入が確定すれば、あとは上場日を待つだけです。

初値で売りたい場合は、上場日の朝、取引が始まる前に「成行」(値段を指定しない注文)で売り注文を出しておくのが一般的なやり方です。もちろん、売らずに持ち続けてもかまいません。

次の上場予定に向けて、準備してみよう

流れは一度なぞってみるのが一番の近道です。

  • 気になる銘柄を1つ選ぶ:IPOスケジュール一覧に直近の銘柄が並んでいます。BB期間や取扱証券会社を確認してみましょう。
  • BB締切日と購入申込期間をカレンダーに入れる:申込を忘れないよう、まずは1銘柄だけでも登録してみます。
  • 口座がなければ、今日のうちに開設を申し込む:上場承認から動き始めても、BBに間に合わないことがあります。

1銘柄ぶんのスケジュールを自分の手で書き出せば、次からは迷わずに動けます。